どんな業界であろうと、低待遇で就業条件の悪い『ブラック企業』とよばれる会社はあります。
しかし、飲食業界に限っては、業界自体がブラックと言っても過言ではありません。
ワタミグループ創業者の渡邉美樹氏が「24時間365日死ぬまで働け」「出来ないと言わない」と説いたのは有名な話しです。すき家を運営するゼンショーでもワンオペによる過酷な就労環境などによって、過労死する社員がでていました。
ワタミやすき家の就労環境は飲食業界の中でも特に異常というわけではなく、この業界で長時間労働や過労は決して珍しいものではありません。
飲食にブラックが多い理由と、転職を希望している人がやるべきことについて解説します。
飲食業界にブラック企業が多いのはデータではっきりわかる
厚生労働省が発表している3年以内離職率を見てみると、飲食業界の離職率高さは目を見張るものがあります。
全業種平均で新卒の3年以内離職率は高卒が40.8%、大卒は32.2%です。
しかし、飲食業に限ると高卒で64.4%、大卒は50.2%となっており、全業種でもっとも高くなっています。
待遇や雇用条件が悪い
飲食業は休みが少ないのに給料も安いです。全業種平均と飲食業を比較してみました。
平均年収 | 年間休日数 | 有給休暇日数 | |
---|---|---|---|
全業種 | 421万円 | 113.8日 | 8.8日 |
飲食業 | 234万円 | 101.9日 | 5.2日 |
休日が少ないだけでなく、勤務時間の長いケースも多いです。午前中に開店して深夜まで営業している店は珍しくありませんし、13時間以上の勤務もよくあることです。
ブラック企業が多い理由
1.価格競争による収益性の悪さ
飲食業界はライバル店が多く価格競争の激しさによって『利益率が低い』という特徴があります。
しかし、店を潰さないようにできる対策には限りがあります。食材の原価を下げるにも無理がありますし、お客さんが少ない日でも一定人員の配置は必要にです。
そこで、最後まで削減できるのは人件費です。給料をさげるのはもちろん、サービス残業をさせることで収益性の悪さに対応させています。
2.経営者が長時間労働で生き残ってきた経緯がある
飲食店を経営している人達が、長時間労働をしてきて生き残ってきた経緯があります。
ゼンショーやワタミの経営者は、それこそ1日中働いて生き残ってきた超エリートです。「自分にできたから部下もできるだろう」という考えのもとに長時間労働が当たり前になっています。
しかし、そんなことをやっていたら普通の人は死んでしまいます。だからこそ過労死が出ているわけですが。
3.労働基準法を守らせる気がない経営者も多い
労働基準法を守らせる気がなかったり、そもそも知識のない経営者もいます。
知らないだけでなく知る気もなく、自社独自のルールを従業員に従ってもらうことで成り立っている店も少なくありません。
10時間拘束で原則2時間休憩など、所定休憩時間を長くしてサービス残業前提の募集をしている飲食店には要注意です。
医療機関とかは昼休みが長いから例外だろうけど、法定の1時間よりも所定休憩時間が長くなってる求人は基本的に警戒した方がいいと思う。そこで拘束稼いで実際のところ休憩はさせない(休憩つぶした分の残業代は払わない)パターンが多い。
— ystk (@lawkus) 2017年11月11日
4.非正規社員が多い
飲食店ではアルバイトやパートが他業種と比べて極端に多いです。
急な休みに対応するのは社員ですから、当然に労働時間は長くなってしまいます。
※ここで社員がアルバイトを強制的に休ませないため、さらに違法労働に拍車がかかる悪循環があります。
あまりにブラックなら転職活動を始めるべき
ブラック企業で働きつづけるメリットはありません。
過労で身体を壊してから転職を検討する人も多いですが、できれば健康なうちに抜け出してください。多くの業界で人手不足ですから、未経験でも転職するチャンスはあります。
特に、飲食業界から転職すれば年収の大幅アップも可能です。年収300万円前後で店長職として働いていた人なら、転職後の年収が200~250万円アップするケースは珍しくありません。
未経験業界への転職ならエージェントを使う
未経験業界へ転職するにしろ、飲食業界で転職するにしろ利用して欲しいのが転職エージェントです。
転職エージェントは、あなたが長く働くことにインセンティブがあります。
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